兵庫県伊丹市のリフォーム会社・IC合同会社の代表・阪本貴洋と、ウェブサイトを手がけたデザイナーの長島さんが、サイトのリニューアルをきっかけに阪本の仕事の考え方を語ります。お二人の対話を、ライブ感そのままにお届けします。
「10年先の良かった」を合言葉に
IC合同会社はウェブサイトのリニューアルを控えています。デザイナーの長島さんは、サイトに込めたキャッチコピーを入り口に、阪本に話を聞いていきます。
阪本「こんにちは、IC合同会社の阪本です。」
長島「デザイナーの長島です。阪本さん、今日は、ちょっとウェブサイトのリニューアルをですね、控えているんですが、その話をしたいなと思っています。」
阪本「分かりました。よろしくお願いします。」
長島「よろしくお願いします。私、今回ウェブデザイナーとして、デザインと、ウェブサイトの構築をしたんですけど。まず今回、リニューアル後のサイトを考えるにあたって、コピーライターの二階堂さんと、「10年先の良かったを」っていう言葉をキャッチコピーにして。
お家の小さなサインを見逃さないことで、10年後のお客様が「あの時直して良かったな」と思っていただけるような、住まいのメンテナンスをICが担う。そういう姿勢が伝わるサイトになればいいなというところで、ウェブサイトを作っていったかなと思うんですけど。まず、この10年先っていうスパンでお家を考えていくっていうのはどういうことなのかなっていうのを、もう少しお話聞けたらなと思います。」
阪本「理由としたら、建築関係とか設備関係とか、家電製品でもそうですけど、大体寿命どれぐらいですかってなった時に、皆さん声揃えて「10年ぐらいじゃないの」ってやっぱりなるんですよね。一般的にもやっぱりその10年っていう1つのラインが存在してるっていうのが、まず大きな理由の1つでもありますし、あとPL法っていう法律もあって。」
長島「PL法。」
阪本「PL法。まあそれの絡みもあって、10年っていうところが、線引きのラインとしては一番分かりやすい。20年だといろんなものがやっぱり、通り過ぎてしまってて。だから20年ではダメなんです。」
PL法:製造物責任法のことです。製品の欠陥によって損害が出たときのメーカーの責任を定めた法律で、責任を問える期間には10年という区切りがあります。
小さなサインを放っておくと、どうなる?
長島さんは、家の傷みやきしむ音のような「サイン」を、忙しさの中でつい忘れてしまう経験を挙げて、阪本に問いかけます。
長島「やっぱり日常の中で、多分僕も自分の家に対して、小さな目に見える傷みみたいなものだったりとか、今回テーマにしてるサインのギシギシっていうような音だったりとか。その一瞬は気になるけど、忙しい毎日の中でプロに頼むほどでもないかなみたいな感じで、ついつい忘れちゃうじゃないですか。そういう違和感を放っておくと、10年後ぐらいにはそれが大きい歪みになって出てきてしまうようなものなんですかね。」
阪本「ああ、まあそうなってしまうものと、そうでもないものっていうのがやっぱりあるんで。日常生活を送ってる上で、突然現れるサインというか、それが音だったり、色味の変化だったりとか。そういうもの(サイン)を、ご自身で調べたりもすると思うんですね、今。ネットで調べたりとかもすると思うんですけど。」
なかなか業者をそこで呼ぶってなってくると、まずそこにつながらないのかな。まあこんなもんかな」とか、そういう風に、どうしても自分で決めてしまいがちなんですけど。そこでちょっと連絡もらえるとか。昔から付き合いの長いお客様とかだと、「ごめんね、もうこんなことで電話していいんかわからへんけど、ちょっと教えてほしい。これ大丈夫かな?」とか。」
まあそれはもう付き合いが長いからこその話やとは思うんですけど。私の場合は、シンプルに「こんなんやけどどうやろ」って連絡くれた方が、「見に行きましょか」っていうのも、言いやすいですし。それ(サイン)を放っておいて、なんともなかったらそれでいいと思うんですよ。けど、何かあった時って、「うわ、あの時連絡しとったら良かったわ」って、やっぱ後悔につながるんで。
それよりは、例えば「ごめんね、つまらんことで電話したわ。しょうもなかったね」って、「ああ、いやいや、大丈夫ですよ」と、さらっと終わる方が、またいいんじゃないかなとは思うんで。まあ、こう決めてしまわないことですかね。」
ネット検索は「欲しい答え」を探してしまう
話題は、家の異変をネットで調べるときの落とし穴へ移ります。長島さんの実感に、阪本が逆のパターンを重ねます。
長島「確かに僕もネットで調べることってあるんですけど、ネットで調べるとどうしても、最悪の事例みたいなのが大きく引っかかりがちなのかなと思ってて。」
阪本「あと、その逆もないですか?」
長島「ああ、その逆。」
阪本「なんともないって言ってくれてる文章を探し込んでしまうみたいな。」
長島「ああ、自分が欲しいものをね。」
阪本「あ、そうです、そうです、そうです。」
長島「欲しい情報がどうしても目について、それで納得してしまうみたいなことですよね。あると思います。」
阪本「どうしてもそれって結局、基準が自分になるんで。専門家ではないわけですから。」
長島「確かにそうですね。」
「言いにくい真実もお伝えし、最高のおせっかいを」
新しいホームページの冒頭には、阪本のスタンスとして「時には言いにくい真実もお伝えし、最高のおせっかいを焼き続けます」という文章があります。長島さんはその真意を尋ねます。
長島「それでいうと、今回のホームページの冒頭に阪本さんのスタンスとして、「時には言いにくい真実もお伝えし、最高のおせっかいを焼き続けます」っていうふうな文章があるんですけど。この辺はやっぱり、率直なコミュニケーションっていうのを阪本さん大事にされてるんですよね。」
阪本「そうですね。やっぱり、どれに対しても一長一短あると思うんですね。いいことばっかりじゃないんで。例えばそのメリットが5つあれば、デメリットは1つ、2つあったりとか。言葉にするとメリットとデメリットなんですけど、このメリットも人によって、お客様によってまた全然違うんで。」
長島「確かに。」
阪本「デメリットも違うんですよ。そこを自分で判断してしまいがちなんですけど。お客さんはこうだろうって、勝手にこっち側が決めてしまってます。だから、言いにくいことも確かにあるんですけど、1つの事象というか、結果というか、それをこう、箇条書きで並べてるような感覚ですか。」
長島「箇条書き。」
阪本「感情入ってるんですけどね。感情は入ってるんですけど。」
長島「正しく伝えるみたいな。」
阪本「そうですね。その中で、自分にとってのメリットを拾っていってもらって、それが大きければその方がいいでしょうし。ちょっと阪本の言ってることデメリットが多いなと思えば、断っていただいたら全然大丈夫です。」
長島「まあ、まずは気軽に会話。」
阪本「そうですそうですそうです。そこからやと思うんですね。」
付箋から始めたホームページづくり
今回のサイトは、いきなりデザインするのではなく、阪本・長島さん・コピーライターの二階堂さんの3人によるワークショップから作られました。
長島「さっきの話で、お客様が家のことをちょっとおかしいなと思っても、自分で解決しちゃったり。リフォーム会社さんにお願いしたいなと思っても、そもそも行き当たらなかったりとか、どう頼んでいいのかわからないみたいな。」
長島「お客様がリフォーム会社を検討するにあたっての不安だったりとか、つまずきポイントみたいなのを、今回いきなりデザインするんじゃなくて。初めに阪本さんと私とコピーライターの二階堂さんの3人で、ワークショップ形式で、付箋でパーっと書き出したりとかして、一緒に考えましたね。多分ああいうホームページの作り方って初めてかなと思ったんですけど、実際やってみてどうでしたか?」
阪本「そうですね。やっぱり構成とかに至る前の段階から、話し合いをしていってるんで。自分では当たり前であることが、やっぱり話してる中で当たり前じゃないことがたくさんあったりとか。あ、そういうことも不安要素なんだっていう気づきになったりとか、私の方がですね、気づかされるというか。」
これが不安やったんじゃないかな」という、自分の中でも決めてしまっていた部分とか、そういった要素が。付箋とかで書き出していって、言語化する中で、「ああなるほどな」っていう、新鮮なところから始めれたと思いますね。」
長島「新鮮でした。」
阪本「めちゃくちゃ新鮮ですね。今までのホームページやったら、自分で作り込んでしまうか、もしくはポンと投げて作ってもらったやつに「うわぁ綺麗ね」とか、そういうところで終わってる感じなんですけど。」
長島「デザイナーが作ったものに対して、例えば会社概要だったりとか、コンセプトの文章みたいなものを考えて送ってくれたら入れるよ、みたいな感じですよね。」
阪本「そうですよね、スタンス的にはね。そうじゃなかったんで、今回非常にいい経験ができたかなとは思いますね。」
長島「結構メッセージ的にも強いものになりましたし、お家の小さなサイン、ジジジとかカチカチとかギシギシみたいなものがキーワードになって。住まいで困っている事例について引き当たりやすいような形に設計できているかなと思うので。これはこれで、どういうふうに実際見ていただいた方に伝わるのかっていうのは、すごく楽しみですよね。」
阪本「私が見てたものもメモ書きとか、そういったレベルのところで、結局こういうデザインにしたいとか、ああいうデザインにしたいとかっていうのも一切話しませんでしたしね。」
阪本「まあ言ってたとすれば、よく見るリフォーム屋さんとか建築屋さんのホームページは嫌なんですよっていうことを話してたぐらいですから。完全にお任せして良かったと思いますけどね。」
長島「ありがとうございます。だいぶね、リフォーム会社のページとしては珍しい感じになってるんじゃないかなとは。」
「理想の職人」はお客様の中にある
IC合同会社の「IC」は、理想の職人という意味の理想クラフトマンに由来します。阪本の紹介ページには「理想の職人は私たちが決めるものではない、それぞれのお客様の中にあるもの」という文章があります。
長島「もう少しホームページに書いてあることについてお話をお伺いできればと思うんですけど。そもそもIC合同会社という社名のICの由来である理想クラフトマン、理想の職人という、その社名に込められている思いみたいなことについて聞かせてほしいなと思ってるんですけど。阪本さんの紹介のページの中に、「理想の職人は私たちが決めるものではない、それぞれのお客様の中にあるもの」という文章があったりするので、ちょっとこの辺のお話を聞かせていただけますか。」
阪本「まず、自分の中での理想の職人像っていうのがまずあって。自分の中では常に(満)点を目指して。その現場ごとで点が違うんですけどね。自分の中の点を目指してやる。もう単純にシンプルにそれだけが、自分の中の理想の職人やなと思い続けてやってきた時期もありまして。
ただ、それが結局、お客様にとっては押し付けであったりとか。例えばそこまでやらなくてもいいのに、自分が納得できないもんだから。金額が上がっていったとかそういうことではなくて、例えばですけど、それをやりきるまでに、通常よりも時間をかけすぎて。遅くまでお客様に付き合っていただくことになってしまったとか、いろんなところがあって。で、やはりその都度お叱りを受けるパターンもありますし。
言葉にするとちょっと語弊もあるかもしれませんけども、きちんとした仕事をすること自体が理想でしょうっていうのが、根本に今でもあるかもしれませんね。あるんですけど、お客様によってはそこまで本当にしてもらわなくても、ちょっと頑張ってやったらできるんじゃないかなぐらいの仕上がりでいいから、「安くだけしたいんよ」っていうお客様もいて。そういったお客様には、きちんと仕事をするにはこうですよ、ああですよというお話をしたとしても、何も響かないんですよ。
逆に値段はもう気にしない、ほんときちんとやっていってくれっていうお客様には、こちらの商品の方が安く済みますよってなったとしても。じゃあそれの材質は何なんだとか、あれよりいいのか悪いのかと、やはりそういうところだけで。まあ、理想がまた違うんですね。そういうのを繰り返していくと、自分が持ってる理想と、お客様が求めてる理想の温度差とかギャップっていうのが、あからさまになる時がありましてね。
そういうところで考えると、理想の職人って、そのお客様お客様に合わせていける職人なんかなっていうのがあって。Aというお客様とBというお客様とでは、もうその理想が違うので、それぞれの理想の職人になっていきたいなと思いましたね。
スタッフもそういう形で、社訓とか経営理念っていう堅苦しい言葉ではないですけど、そういう考えのもと頑張っていってくれたらなと思って(社名を)つけた感じですかね。」
長島「阪本さん自身は駆け出しの頃に、理想の形っていうのはお客様の中に様々あるっていうのに気づかれたっていう風に書いているんですけど。これは何て言ったらいいのか、ちょっと今一瞬言葉に詰まってるんですけど(笑)お客様自身の良い状態みたいなのを、お客様自身が見極められるようになるために、阪本さんは率直なコミュニケーションを持って、お客さんとお話をして。で、そこで決められたことに対して全力を尽くすみたいな姿勢に、今されてるっていうことですね。」
阪本「そうですね、そうですね。そのスタンスでいくことで、完全に私と合わないっていうお客様もいらっしゃると思うんですよ。そういうものがないように、何がダメだったのかなとか、いろいろ反省はしますけど。答えが出るもの出ないもの、やはりありますから。って考えた時に、それはそれで仕方がない、ではちょっとあれなのかもしれないですけど。」
なんだろうなぁ。阪本嫌いやなっていうやつも、絶対いると思うんですよ。もうズバズバズバズバ聞きたくないことも言うしっていうお客様も、多分いらっしゃると思うんですけど。けど、それを言わずに、仕事をすることだけ優先してやるよりは、私のスタンスとすれば、きちんと色々説明した上で納得してやってもらう方が一番いいかなと思ってますね。」
最後は人と人・駆け出しの頃の「ありがとう」
長島「このウェブサイト作るにあたってお話してきて、阪本さん、やはりすごいきっちりされてる方だなと思ってるんですけれども。」
阪本「ありがとうございます。」
長島「ありがとうございます。」
阪本「もうちょっと言ってくれていいですよ笑」
長島「思っといた方がいいですか笑」
長島「きっちりしてるところは当然ありながらも、最終的な決断をお客様がしやすいように、コミュニケーションを尽くそうとされてるみたいなところも、すごく印象に残っていてですね。」
阪本「そうですね。やっぱり最終は人と人っていうことだと思うんですよ。その時にやっぱり、自分の中で本当にちゃんと説明できたのかなとかっていうのを振り返りもしますし。その上で、本当にお客様とコミュニケーションを取りながら、やっていきたいなっていうのがありますから。まあ、駆け出しの時のやっぱり「ありがとう」が一番響いてますよね。」
長島「いいお話ですよね。本当に。いやそうか、そういうスタンスだったりとか、阪本さんのこだわりもですし、柔らかさみたいなところもそうなんですけども。そういったものが伝わるウェブサイトに成長していけばいいかなと。で、皆さんにそれが伝わっていけば嬉しいなっていうふうに思いますね。」
阪本「ありがとうございます。」
ポッドキャスト「リフォームタイムトラベル」はじめます
最後に長島さんから、この回を公開するポッドキャスト「リフォームタイムトラベル」と、新しいサイトの相談窓口について案内があります。
長島「じゃあ、とりあえず今日はこんなところかなと思うんですけど。このお話を公開するリフォームタイムトラベルという阪本さんのポッドキャストについて、小さなお家のサインの事例を各回ごとに紹介して。より皆さんがお家のサインを見逃さずに、住まいのメンテナンスを相談できるというような話題をお伝えしようと思っているポッドキャスト番組を始めていきます。この話が公開される段階では(配信の)数は少ないのかなと思うんですけども、随時収録していこうと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。」
阪本「よろしくお願いします。」
長島「ウェブサイトの方も、こんなことを相談していいのかなと迷っている方に対して、最初の一歩として、電話やメールフォームはもちろんなんですけど、LINEだったりとかも整えてですね。できるだけ阪本さんと気軽に会話できるような動線を設けていきたいかなと思っているので、皆さんの住まいのメンテナンスについて協力していければいいかなと思います。」
阪本「よろしくお願いします。」
長島「ありがとうございます。今日のテーマはウェブサイトのご紹介の会というところで、今後ともよろしくお願いいたします。」
阪本「はい、よろしくお願いいたします。」
長島「ありがとうございました。」
阪本「はい、ありがとうございました。」
まとめ
ウェブサイトのリニューアルをきっかけに、阪本さんが家のメンテナンスとお客様との向き合い方を語った回でした。10年という区切りで家を考えること、小さなサインを自分で決めつけずに相談してほしいこと、そして理想の職人はお客様ごとに違うという考えが話されています。気になる音や色の変化があったら、気軽に声をかけてみてくださいね。
- 寿命の目安やPL法の区切りから、家は「10年先」のスパンで考える
- 小さなサインは「こんなもんかな」と自分で決めず、気軽に相談するほうが後悔しにくい
- ネット検索は基準が自分になり、欲しい答えを探してしまいがち
- メリットもデメリットも率直に伝え、お客様に選んでもらうのが阪本さんのスタンス
- 理想の職人とは、お客様それぞれの理想に合わせていける職人
IC合同会社
代表者 阪本貴洋
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